相続手続をご自身で進める最大の(そしてほぼ唯一の)メリットは、専門家報酬がかからないことです(戸籍謄本などの必要書類を取得する費用や、交通費などの実費は発生するでしょう)。
また、ご親族間の関係性やトラブルなどをあまり外部にさらしたくない、とお考えになる方にとっても、ご自身で手続を進めることには意味があるかもしれません。
他方で、ご自身だけで手続を進めることにはデメリットも存在します。 まず、手続には多くの時間と労力がかかります。たとえば戸籍類を漏れなく集めるだけでも、慣れない方には極めて煩雑・面倒な作業に感じられるかと思います。
また、正確な法的知識がないまま手続を進めてしまうと、ご自身に不利益となる深刻な誤解やミスを見過ごしてしまったり、他の相続人とトラブルが発生した場合の対応を誤ってしまったりする可能性も多いにあります。特に相続放棄の手続などは、家庭裁判所への申述だけでなく、それ以前の行動にも細かく注意を払う必要があり、場合によっては取り返しのつかない事態に陥ってしまうこともあり得ます。